2014年04月17日

スバルの前に大きく立ちはだかるフォード!

  スバルを海外メーカーに擬えるとどこが相応しいか? 良く言われるのが、エンジンの設計(水平対抗)からポルシェだとか、ドライバー本位の設計思想からBMWだとか、そしてAWD&ターボの新たな求道者としてアウディとメルセデスを挙げる人もいるのかも。名だたるブランドと幾多の接点を持っているということは、スバルの設計思想における理想の高さを如実に表している。

  しかしそれはある「部分」において近い存在なだけであり、クルマそのものをトータルで評価するならば、スバルファンは怒るかもしれないですが、海外雑誌などではフォードがよく引き合いに出されているのを見かけます。マツダとの提携関係が少なからず残るせいか、フォードはまだフルラインナップによる日本参入を果たしていません。よって日本にいるとフォードのコンセプトがダイレクトに伝わることも少なかったりするのですが、フォードは欧州部門を中心にスバル的なブランドを構築しようとしている意図がみられます。

  フォードによるスバル・コピー戦略は至るところで見られます。まずかつてのスバルと同じようにWRCに参戦し、主力モデルのフォーカスのブランディングに務めます。フォードはWRCで大活躍し、フォーカスも全欧州で最高の売上を誇るCセグ車の座に君臨し、その勢いは完全にゴルフを凌ぐレベルです。スバルはWRCの活動を通して「インプレッサWRX STI」というラリー史にその名を残すブランドモデルを作り上げましたが、フォードも対抗して「フォーカスST」というスポーツモデルをブランドのアイコンへと成熟させています。

  スバルとフォードではグローバルでの生産台数は大きく違いますし、小型車がかなり充実しているフォードと中型車に特化しているスバルですから、むしろ異なる点の方が多いわけですが、フォードの視界にスバルが入っているのは確実なようです。スバルは「日本向け」という建前のもとレヴォーグというWRX派生のワゴンを発売しました。狙いはハッキリしていてBMWやメルセデスのワゴンにぶつけるためのようですが、スバルの目線が上(独プレミアム)に向いている(?)ところを、後ろから密かに狙っているのがフォード。

  フォーカスSTだけでなく、欧州フォードが作るトップエンドのセダン「モンデオ」もなにやら新型レガシィB4を先回りしたような「モンデオ・ヴィニアーレ」という高級版を新たに追加してきました。デザインも従来のアテンザ(元々は兄弟車)に似たものから、急速にレガシィっぽいものへと変化。いよいよフォードによるスバル密着マークが本格化してきたかも。

  フォードがいくらスバルをパクったところで日本でのスバルの売上にはなんら影響はないでしょうが、問題なのは今やスバルのグローバル販売の50%を越えている米国市場。フォードの本拠地でスバルに壊滅的打撃を与えるような新型車が投入される可能性も高いですし、スバルが市場動向を見ながらタイミングを伺っているFB16DITによるターボ車展開も、すでにフォード・フュージョン(レガシィのライバル車)には1.5L「エコブースト」が設定されるなど、完全に先行されている形。さらにXVやフォレスターで狙うコンパクトSUV市場にもエスケープというモデルがエンジンのラインナップを揃えて待ち構えています。さてスバルは巨人フォードとの闘いに勝利することができるのか?


リンク
WRXとフォーカスST」動画

モンデオ・ヴィニアーレ」動画

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posted by のっち at 12:54| Comment(2) | スバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月08日

アテンザ!アクセラ!に続いてデミオ! マツダはもはや止まらない!

  一般(大衆)ブランドにも関わらずDセグセダンを果敢に売ろうと画策したマツダの「決断」・・・結果はどうなるかまだ分りませんが、クルマ好きとしては「素晴らしい」の一言でした。とりあえずメルセデス、BMW、レクサス・・・世界有数のプレミアムブランド達を本気にさせたのは間違いなくマツダだと思います。

  マツダが属する「一般ブランド」のDセグ車の販売は、とくに欧州・日本・豪州といった地域で大きな打撃を受けています。プレミアムブランドに対する負い目(コンプレックス)や、コンパクトカーに何かと負けてしまう実用性という板挟みが不調の主な原因でしょうか。そしてそれ以上に各メーカーが自動車ユーザーに「このサイズのクルマを買う意味」をしっかり伝えることが出来ていないことから、低迷のトンネルを抜ける予兆がなかなか見えません。もはやD セグセダンは「プレミアムカー」でなければ売れない!が北米以外の地域では業界の常識になりつつあるようです。

  日本における「マツダへの印象」がまさにこれをよく表しています。これまで「非欧州メーカー」というハンデキャップをはね除けるために磨き上げた技術は、マツダ好きにはたまらないものだけども、自動車ユーザーの大部分にはまだまだ認知されていないです。「スカイアクティブ」という言葉自体はかなり一般的になっているようですが、ディーラーの人が言うにはその中身まではまだまだ理解されていないようです。

  確かにスポーツカーにおいては一定の評価・実績を得てきましたが、「一般車」におけるマツダの良さを語る声は日本よりも圧倒的に欧州から聞こえてきます。マツダが欧州向けに作ってきたクルマが、かの地で高い評価を受けて日本市場でも歓迎されるようになってきた部分も相当にある気がします。恥ずかしながら私も当初はそんなミーハーの一人ではありました・・・。しかし実際に所有してみて分ったことは、マツダは決して日本での使い勝手を無視していることはないですね。アテンザ、アクセラ、デミオと大きく3グレードに作り分けつつもそれぞれに「日本で走らせる喜び」を常に考えている!とハッキリ感じます(詳細は別の機会に)。

  マツダは経営基盤が弱いことから、よく「限りある開発資源の中でアイディア勝負」などと言われています。確かに競合他社と比べてエンジンのバリエーションの少なさは気になります。しかし最近ではどのメーカーを見ても新開発エンジンが従来のエンジンよりも「運転の楽しさ」という基準に於いて明らかに良くなっているという例は極めて少なく、真剣にクルマ作りを考えるメーカーほど、開発費が膨大なエンジンではなく、それ以外の部分に多くの資源を投入するようになっています。トヨタも日産も高級車であればあるほど10年以上前に開発されたエンジンを載せる傾向にあります。結局は高級車がたくさん売れた時代のエンジンを越えるものは簡単には作れないようです。

  現実問題として、バブル期に日本の各社が挙って作った高級サルーンで、継続して販売が行われているのは、トヨタ(レクサス)くらいなもので、辛うじて日産、ホンダが北米主体に続けているに過ぎません。この「継続」を考えると、マツダがトヨタ(レクサス)あるいはメルセデスやBMWを超える高級セダンを作ることは「よっぽどのこと」がない限り無理なのは明らかです。やはり「プレミアムブランド」の強みはずっと作り続けてきた実績は大きいです。

  そんな絶望的な状況の中から登場してきた3代目アテンザは、マツダの強気な姿勢を代弁するかのように、各国マーケットでは既に上々の評判を得ています。フォード、VW、プジョーの大衆ブランドDセグセダンが大苦戦する中で、新しい時代を切り開くモデルとの期待も高いようです。そんな中で「何となく」シェアを保ってきたメルセデスやBMWもまた転機を迎えているようです。これまでは彼らにとって「Dセグ」は本気を出すクラスではなかったわけですが、大衆ブランドが一斉に崩れたなかで、行き場を失ったニーズは「割高感」しかないプレミアムブランドの「マイルド」なDセグへは向かわなかった現実と真剣に向き合い始めました(ベイビーメルセデスなんて要らん!って)。

  リーマンショックによる不況で開発が止まっていたり、後回しにされていた各社のDセグはやはり魅力に乏しいという指摘もありましたし、アルファロメオ159のようにコストに見合わずに急いで「店じまい」してしまうモデルなどもありました。マツダも赤字になってしまうGHアテンザを半年早く撤収し、GJアテンザを急いで展開するほどで、株価を意識した厳しい「綱渡り」な展開でした。

  懸命な企業努力で「存続」を保ったマツダはそれでも「地獄の欧州」を目指し続ける。その横でスバルは「最後の楽園北米」でこの世の春を謳歌(スバルの努力を否定するつもりはないです)。まあどこで商売するのも自由なんですけどね。もはや修羅のように「地獄」をかけずり回るマツダが魂を込めて作る新型車は、どれも鬼気迫るものがあります。この前までライバルとして比較されていた「アクセラ」と「インプレッサ」の立ち位置がだいぶ変わってきたと感じるのは気のせいでしょうか?






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posted by のっち at 12:26| Comment(0) | マツダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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