トヨタもその辺のマーケティングにおいては世界最高レベルのメーカーなので、近々150万円台の新たなスポーツカーを投入してくるという噂もあります。しかしトヨタが「スイフトスポーツ」のようなクルマを作ったところで、スイスポが売れなくなるだけで、クルマ業界全体にどれくらい影響があるかはわかりません。期待して待つ側からすればむしろがっかりするくらいです。それならば200万円台前半の価格帯のオーリスにスポーツクーペの設定をするとか、同じ価格帯にアルテッツァの後継車のような4ドアセダンを設定するとかした方が、若者にとっては魅力的な選択になり、はるかにインパクトは大きいと思います。
2ドアで車高もかなり低い「86」がクルマとしてどれだけの実用性を持っているのかと考えると、かなり疑問が湧いてきます。トヨタとしては滅多につくれない新設計車なので、あれこれ工夫をこらしてきているとはおもいますが、その真意はいまいち解りずらかったりします。間違っても「ドリフト」という用途は「本気」で想定してはいないとは思いますが・・・。しかしあれこれ考えてみると、2+2シーターに設定されてはいるものの、以前ホンダが発売していたインテグラと同じような用途、つまり2シーターのマツダ「ロードスター」と同じ「走りを楽しむ」以外のことはあまり想定されていないクルマなのではないでしょうか。こういうクルマを将来的に結婚を控えた若者が安易に選ぶのか?という気がします。そういう意味では以前発売されていたアルテッツァのような4ドアセダンとは根本的に違うクルマですし、若者にとって現実的な選択肢になりうるのはどちらかは明白だと思います。
またさらに、今年中には86のオープンモデルが発売されるようです。4座のオープンというラインナップが国産車に加わることはとても素晴らしいことだと思います。価格は300万円台後半くらいになってしまうのがちょっと残念ではありますが、それでも十分に作る価値のあるクルマだと思います。ただこれも若者にとっては2LのNAエンジンを搭載したモデルが300万円後半はやや高すぎる気がします。ちょっと前までMR-Sが200万円そこそこで販売されていたのことを考えると、これもなかなか手を出しずらいクルマです。来年には軽オープンのコペンが復活し、ホンダもビートを復活させるそうですが、この2台も200万円台後半の価格に落ち着きそうな感じです。いずれにしても、クルマをいろいろ経験した人にしか解らないような価格設定の気がします。
もし若者に普通のクルマじゃなくてオープンを買わせるなら「カローラアクシオ・コンバーチブル」(1.5LのNA)を200万円で出すというのはどうでしょうか?若い世代はカローラというクルマに強い偏見はないでしょうし、「カローラアクシオ」自体もオープンにしたらかなりカッコ良くなりそうな気がします。どちらにせよ若者にクルマを買わせるには、年寄が見向きもしないけど、若者の需要に応えるようなクルマを作る必要があると思います。200万円しない程度でいろいろな派生車が作れそうな「カローラ」をうまく活用することこそ、「bB」や「カローラルミオン」で成功したトヨタの進めるべき「ミッション」のような気がします。
↓欧州の低価格車は安いなりに生き生きしていてとてもいいです。セアト「トレド」やオペル「アダム」みたいなクルマを120万円くらいでトヨタに作ってほしいです。