2013年10月10日

ホンダの新型車連発が無数の屍とならなければ良いが・・・

  クルマが悪いのか?営業力が無いのか?それともプロモーション不足か?出せばとりあえずヒットするというこの1年の日本メーカー各社の良い流れの中で、いまいちノリ切れなそうなホンダの低調ぶりが気になります。フィットが目論み通りにアクアを超えていくかというと、そこまでのイメージが湧かないのもまた正直なところです。それでもフィットはそれなりに支持を受けるでしょうが、それよりも日本市場に適合できるか?とても心配なのが、新型のアコードとオディッセイです。

  どちらも2000年代の初めには、エンジン屋ホンダの看板だった世界最高の直4エンジンを載せた「走り」のセダン・ミニバンとして登場して、話題を呼びました。当時の中型車の花形だったBMWに匹敵する走りとも評され、優秀な日本車の代表格であったのですが、果たして今のホンダに当時に勝る「気概」があるのでしょうか・・・。

  日本での9代目に当たるCR型アコードは、北米モデルがベースになっています。アメリカでは2012年から発売されていて、HV以外にも2.4L直4と3.5LのV6が設定されています。アメリカ市場では廉価な中型セダン(D/Eセグ)の需要は非常に高いのでホンダの「ドル箱」といえるモデルですので、ボトムグレードを構成するガソリンエンジン車が燃費を気にすることなく売れます。

  ただアメリカでは大衆車でも、日本市場では大人の高級志向のクルマと受け取られてしまうのがD/Eセグの宿命になっています。アコードのようなコンセプトで作られたクルマにとって、縮小するマーケットに加えて、アメリカで「3万ドルカー」として売られる高級モデルが跋扈する中で、目の肥えたセダン愛好家のハートを射止めるのは至難の技と言えます。

  先代のCP型インスパイアもV6の3.5L搭載車としてはお買い得な価格設定でしたが、FFでV6搭載というハンドリングに大きな不利のある設計がやや不興でライバルにまったく歯が立ちませんでした。気筒休止機構などの先端技術もまだまだ熟成が足りずギクシャク感が多く、デザインだけが唯一の取り柄でやれやれといったクルマでした。2007年当時はカムリもまった日本では存在感がなく北米サイズの”中型セダン”はまだまだ時期尚早な感がありました。

  デザインは抜群に良いし、決してクルマが悪い(良いかわけではないけど)のではなく、単にタイミング(マーケティング)が悪いのではないか?と思ったりもします。5年くらい前にマツダが日本でディーゼルを発売しても上手くいかなかったでしょう。やはり良いクルマを作るとは、良いマーケティングをすることなのだと思います。

  おそらく生産拠点の関係だとは思いますが、現行のCR型には日本未発売の素晴らしいデザインのクーペが存在しています。E92の3シリーズクーペをさらに洗練させたようなサイドとリアのデザインがとても印象的です(日本に持ってくれば人気出るはず)。さらに4グレード中3グレードが軽量な直4エンジンを使っていて、セダンよりも約5センチだけホイールベースを詰めることでFF車の水準を超えたハンドリングマシンに仕上がっています(あくまで北米仕様ですが・・・)。

  同じFFのアテンザがホイールベース拡大でハンドリングの良さを維持できなくなっている中で、FFの新たなハンドリングマシンとしてこのCPアコードクーペを日本に持ってきても良かったのではないかと思います。D/Eセグセダンはハイブリッドが既定路線になりつつあるようですが、北米大衆セダンのノリで無個性で差別化が意識されていないようなクルマには、このクラスの日本のユーザーは簡単には靡かない気がします。

  ホンダが主張するアコードHVの長所とは、ハイブリッドセダンというまだまだ狭い枠組みの中での優位でしかないので、「お山の大将」といった矮小な世界観しか感じられません。その点ではBMWやアウディにデザインでガチンコ勝負を挑んだアテンザの方に注目が集まるのも無理ありません。

  ホンダのマーケティングが悪いというわけではないですが、トヨタに煮え湯を呑まされ続けた過去を考えると、相当に綿密かつ大胆な計画のもとホンダ車の良さが生きるシチュエーションを構築しなければいけません。来年は再びF1に参戦するようですが、アコードやオディッセイが輝いていた2000年頃も第3期のF1復帰が行われた時期でした。そのタイミングに合わせて新型車を複数用意しているそうですが、果たして・・・。

  
CP型アコードクーペ動画
  


posted by のっち at 04:23| Comment(0) | ホンダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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