2014年12月15日

カローラが再び日本車の顔になるために・・・

  7代目になる現行VWゴルフが販売戦略上のターゲットに掲げていたのがトヨタのプリウスだったようで、ゴルフ7が発売してしばらくはVW側からプリウスを強く意識したコメントが連発されていました。実際のところプリウスを買っているユーザーの多くは、ゴルフのようなコスパの悪いと感じられるクルマには興味は無いはずなんですが、それでも「一定の高級感」(安物じゃないぞ!)みたいな見栄の部分で選ばれるクルマの代表格がこの両車であることは確かかもしれません。

  街中で見かけるゴルフは4~7代目まで幅広いですが、やはり6代目、7代目が上質感を良く表現できたデザインで感心します。日本にもこういう伝統のモデルが欲しいですね。フィットにしてもアクセラにしてもまだ3代目になったばかりで、実力はともかく伝統に関してはまだまだ駆け出しでしかないです。もちろん日本の自動車産業の歴史はVWに引けをとりませんから、シビックやファミリアといった伝統のモデルがありました。ファミリアはフォードグループのグローバルモデルであるアクセラに引き継がれ、シビックは欧州や米国では継続して販売されています。

  80年代のBEファミリアやEFシビックは、世界の頂点を狙った日本車ハッチバックの転機となった意欲作ですが、控えめなデザインが災いしてか当時はかなり売れたにもかかわらず、バブル期を経てその評判が残ることはなく、現在ではビンテージカーとしてもあまり人気がないようです。1987年に高級車顔負けの4輪ダブルウィッシュボーンで登場したEFシビックは、現在人気になっているゴルフ、Aクラス、ボルボV40などの原点といってもいいクルマだと思います。1980年に登場したBEファミリアも独立担荷式サスを後輪にも使って、これまでのイメージを完全に覆す出来映えだったそうです。そしてこれがホンダの技術者魂に火を着け、EFシビックのハイスペックな足回りはどうやらホンダからマツダへの挑戦状的な意味合いがあったようです。しかし皮肉なことに同時代の同サイズのモデルで最もその存在を後世に知らしめたのは、トヨタのAE86なんですよね・・・。

  マツダとホンダの技術屋気質の高さは、今後の過当競争の危険も孕んでいましたが、フォード傘下となっていたマツダは単独での小型車開発において、ホンダへの対抗意識を剥き出しにすることはできなかったようです。ただその後の戦略はひたすらに安易そのもので、ホンダが仕掛けたプレリュードに日産が過剰反応してシルビアを仕立てて、そのどちらも大ヒットする中で、同タイプのクーペをファミリアから派生させて、日本市場では見事に大惨敗を喫しました。残念ながらファミリアアスティナやその後継のランティスがトヨタのカリーナEDのような「4ドアクーペ」のオリジナルと語られることはありません。現在4ドアクーペが高級車を中心にドイツブランドから多く出ていますが、ドイツで高く評価されたのはカリーナEDではなくMS-8やランティスといったマツダ勢なんですけどね・・・。

  ちょっと話が横道に逸れましたが、シビックとファミリアによる争いがバブルの収束で下火になった1998年に欧州で初代フォード・フォーカスが発売されました。このクルマはすぐに欧州で大ヒットを記録し、VW陣営はこのフォーカスの開発陣を引き抜いて5代目ゴルフを開発させ巻き返しを図りました。フォードは1980年に欧州市場でフォーカスの前身車種であるエスコートが、マツダのFF化されたファミリアとともに4輪に独立担荷式サスペンションを装備して登場します。ファミリアはフォード・レーザーとして供給されたので、フォードのCセグは1980年の段階で世界トップレベルの実力を持ちました。最大の狙いは1974年に登場したジウジアーロデザインの初代ゴルフを受けてのことだったようです。

  やがて欧州フォードが製造するエスコートはトーションビーム(車軸式)へとコストダウンされてしまいます。その後に不調に陥ったエスコートをテコ入れし根本的に作り替えるために、再び独立担荷式サスに戻したモデルが先ほどの初代フォーカスです。このフォードの動きと呼応したのが1980年代当時に欧州で大きなシェアを持っていたローバーで、こちらはマツダのライバルのホンダと資本提携をし、シビックの兄弟車のバラードをベースに独立担荷式サスを装備したローバー200が投入されます。しかし経営基盤がしっかりしなかったローバーはこのクルマを大きくヒットさせることは出来なかったようです。

  ちょっとややこしい話になりましたが、マツダとホンダによる競争は欧州市場へと大きく飛び火し、欧州のCセグがグローバル車へと発展していく上での重要なポイントになったことは間違いないです。ほかにもスズキや三菱の小型車技術も現在活躍する欧州の小型車に大きな影響を与えました。それにもかかわらず、日本メーカーにはブランド力のある車名を守り続ける努力が足りないようで、VWゴルフのような重みのあるモデルは日本車Cセグには見当たりません。いや・・・一応トヨタにカローラという伝統の車名が残っています。しかしカローラには現在の日本市場で大きく存在感を示せるものが残念ながら希薄です。

  欧州では一時期オーリスの前身モデルにカローラと名付けて販売していました。トヨタ得意のトーションビームをわざわざダブルウィッシュボーンに代えて欧州市場専用モデルとして発売し、ドイツなどでも一気に市民権を獲得するなど、上々の評判を得ていました。日本でもカローラランクスという名称で販売され、上級モデルにはセリカやロータス・エリーゼに使われていたヤマハ製の高回転ユニットが搭載されるなど、今でも愛好家が多いトヨタのモデルの1つです。

  その後のモデルでは商売気を出し過ぎて、販売チャンネルをカローラやネッツからトヨタへと切り替えたのが失敗の始まりだったように思います。廉価モデルをオーリスに、上級モデルをブレイドにそれぞれ分けて販売するようになってから、「つまらない」オーリスと「高価過ぎる」ブレイドという評価に落ち着いてしまいブームが一気に下火になったのがとても残念でした。世間一般ではCセグではゴルフという世界的モデルに対して、マツダの最新のアクセラがせいぜい張り合えるくらいだという評価に落ち着いているようです。これまでの日本車メーカーの開発力によって支えられているCセグなんですけどね。これまでの日本メーカーにブランドを作る力が欠けていたのが惜しまれます。

   
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posted by のっち at 02:15| Comment(0) | トヨタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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