2014年02月11日

スバル・レヴォーグ 懐古主義が正義ということもある。

  「セダンとワゴンはもはや親戚ではなくなった。」スバルが言いたいことはつまりこういう事なんだと思う。セダンの向かうべき方向と、ワゴンを必要とする局面が大きく乖離しつつある。少なくとも日本ではそう感じる。セダンはどこまでも高級であるべきで、ワゴンは限りなく実用的であるべき。セダンやワゴンをわざわざ選ぶユーザーともなると、クルマへのイメージはより鮮明であり、ユーザーの嗜好に合わないとなると一切売れなくなる。

  現行レガシィB4はアイサイト登場以降、持ち直しつつあるけども登場からしばらくはスバル全体に重苦しい雰囲気を作り出すほど手応えのないクルマだった。しかもフラッグシップ車である。ブランドとして絶対にあってはならない非常事態だった。フラッグシップのセダンなのに、冴えないスタイリングで、駐車場でアウディやBMWに挟まれたら目も当てられない。日産(V36スカイライン)にもマツダ(GHアテンザ)にも完全に遅れをとった・・・。

  レガシィB4の最大の弱点はワゴンボディを優先に考えられた設計の上に作られたセダンだということは明らかだった。国産のライバルと比べてもサイズは最も小さいのに、水平対抗エンジンの搭載位置の関係で最も全高は高い設計になってしまう。そしてライト類などを含め保守的で地味なデザイン。全ラインナップがAWDなのに、国産Dセグでも最も安い価格帯、それでも人気が出ない。現代のセダンに要求されている大切な部分が欠落しているとしか言いようがない。

  同じようなラインナップのマツダはアテンザのFMCにあたって従来通りセダンとワゴンを設定した。しかしマツダも既にセダンとワゴンが親戚から他人に変わりつつあるのを感じていて、セダンとワゴンでホイールベースを変えるという芸の細かい方法を採った。マツダにも当然にスバルのような葛藤があったはずだ。アテンザにワゴンを作る必要はなく、アクセラのワゴンを設定すればいいのでは?と。それでもマツダがアテンザワゴンにこだわった訳は「プレミアムワゴン」としてDセグの車格を守るという選択と、ワゴンのデザインによっぽど自信があったのだと思う。実際にGJアテンザの出来映えは、ワゴンの為のデザインと言ってもいいくらいに近距離でも遠距離でも見事な造形美を誇っている。

  「アテンザのデザインは王道で素晴らしい。」これはあくまでマツダに好意的な人々の意見に過ぎない。スバルにはスバルの考え方があり、マツダが選択しなかったもう一つの方法を選んだわけだ。別にデザインでマツダほど自信を持っていないからというネガティブな理由ではなく、レガシィSWをインプレッサのワゴン(=レヴォーグ)へと切り替えることの方が得策と判断したのだろう。実はマツダのストイックなまでの美学をせせら笑っているくらいかもしれない。「Dセグワゴンの時代は終わった」と・・・。

  フラッグシップの十字架を背負い続けるアテンザワゴンと、その呪縛から逃れたレヴォーグ。わずかの隙もなく緻密にデザインをまとめあげたアテンザワゴンは見事にそのプレッシャーに打ち勝っている。だけれども実用車としてあまりにもキレイすぎる気もする。それがイマイチ気に入らないワゴンユーザーもいるだろう。

  一方でレヴォーグは自由だ。フラッグシップの呪縛が融けているので、乗り心地を犠牲にもできるし、デザインももっと男臭い武骨さだって表現できる。「WRX STIワゴンA-line」といってもいいくらいのマッチョな2LターボモデルのCVT設定を「S♯」にすれば、フラッグシップのエレガントさなんて消え失せてハードな乗り味が顔を出すようです。

  レヴォーグ=「原点回帰」なのは間違いないですが、日本市場を意識したサイズなんていうのは全くの建前に過ぎません。スバルがモデル改変に踏み切った最大の理由は、レガシィの存在が限りなくグレーになっていて、コンセプトは矛盾に満ちてしまったことです。スバル車だから「WRX STI」と同じパッケージにすればOKという時代はとっくに去っていて、フォーマルに使うレガシィB4にはそんなスポーツのギミックなど不要なわけです。

  さらに言うならば、アウディがワゴンにだけ「RS」を設定する考え方にシンクロしたのがレヴォーグなのだと思います。ハイパワーAWDワゴンというジャンルはそれほど雑誌などで話題にはなっていませんが、中型車の現在進行形のトレンドとして注目すべきものです。「原点回帰」と見せかけておいて、最先端のジャンルへと突き進んでいるとは・・・クルマ作りはつくづく奥が深いと感じる。

  
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posted by のっち at 05:14| Comment(0) | スバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月26日

インプレッサWRXはピュアスポーツなのか量販スポーティなのか?

  いやはやカーメディアがVWのゴルフに完全にジャックされている。ここまで完璧に「ステマ」が展開されるには、相当な宣伝費が掛かられているようだ。しかも今回のVWの焦りっぷりがよく現れている・・・。それはさておき、カーメディアがなぜかまともに取り合おうとしないのが、「インプレッサWRX vs ゴルフGTI」といった主旨の比較だ。同じCセグ車ベースのスポーツモデルでどちらも2Lターボという同じ条件なので、比較対象としてはちょうど良いはずなのだが・・・。

  ハッキリ言うと、価格やサイズやエンジンはほぼ同等でも、動力性能には絶対に超えられない壁が存在する。よって単純に比較しようものなら、ゴルフGTIの存在意義なんて木っ端みじんに吹き飛んでしまう。何かしらのゴルフGTIにとっての拠り所があればいいのだが(そりゃ探せば1つ位はあるはずなんだが)、「スポーツモデル」と名乗っている以上はあまりどうでもいい「ベクトル」を持ち込むことはできない。ゴルフ側はさらに高価格の「R」であってもインプレッサWRXの敵ではない。

  ここまで来て、フォルクスワーゲンの肩を持つとすれば、VWのクルマは車体重量に対して適切な馬力とトルクが得られるようにパワーユニットを選択していて、その過不足ない実用域を追求した「バランス感」こそがVWが考える「クルマの実力」だという主張がせいぜいだろう。実際これはかなり本音で、GTIはアウトバーンでの250km/h巡航を可能にすることに主眼が置かれている。そのノルマを達成しているのだから「十分」という主張もよくわかる。その論理ならばインプレッサWRXは「過剰品質」と言える。

  現在VWのクルマは日本にディーゼルエンジンが持ち込めないため(排出基準未達)、ハイブリッドを除く全ラインナップが過給器付きエンジンを使っている。VWを中心に欧州の大衆ブランド(プジョー・オペル・フィアットなど)では、NAで使うには小さめのエンジンに過給器を組み合わせたユニットで、基本的な動力性能を得ている。この動きはBMWやMBといったプレミアムブランドの下級グレードにまで広がっている。このユニットを使う効果として「CO2排出量の軽減」と「燃費の向上」が一般に唱えられているが、これは少々疑問が残る。ダウンサイジングターボはマツダのスカイアクティブ技術とは違い、エンジンそのものの「エネルギー効率」を向上させているわけではない(あくまでNAで使われるエンジンを過給してるだけ)。そのエンジンにとって理想的な「回転数×ガソリン噴霧量」は決まっているので、NAだろうがターボだろうがこの「制約」からは逃れられない。

  最近の中型車種の燃費向上はこの「制約」を踏まえた上での、アイドリングストップやオルタネーター(発電機)の代わりに回生ブレーキを使うなどの方法が一般的だ。ただマツダ・アテンザのリコールがあったように、技術が確立している「オルタネーター&バッテリー」の代替として使われる技術が未成熟でしばしば不具合に見舞われるようだ。たとえば直4ターボを導入した先代BMW3シリーズ(E90)もオルタネーターのトラブルが頻発していたと言われる(エンジンの容量不足か?)。オルタネーターから回生ブレーキへと充電方式を大規模に変更するには、重量が嵩む大容量バッテリーを積載しなければならない。これによる重量増でさらに運動・燃費性能が低下する可能性もあるのだ。

  未だにエアコンレス車が発売されていると言われる欧州の自動車事情と違って、日本では夏場はエアコンなしに自動車の移動はほぼ不可能だ。この辺の事情も欧州メーカーがダウンサイジングターボを進める一方で、国内メーカーが及び腰な一因だと思われる(あくまで憶測)。エンジンの設計を極限まで削って、過給器で帳尻を合わせるという発想は、「ターボ先進国」の日本メーカーはどこも過去には当然に考えたであろう。もしトヨタの1.5Lエンジン+ターボでアルファードもクラウンも問題なく快適に動いてしまうなら、バブル期にとっくに確立してしまっていただろう。

  つまり日本車がターボを積む時は、前提として日本の環境を走るに十分な性能をNAでも発揮できるクルマに、特別なグレードを設定して「過給」することがほぼ常識になっている。インプレッサWRX、ランエボ、GT-Rはターボモデルしかないが、いずれもNAでも十分に走行可能なスペックの上に設定が行われている。日本車はドイツ車に比べて電装系が強いと言われているが、あくまで基盤や電動装置のほとんどはドイツ車と同じメーカーのものが使われている。両者の決定的な違いを一つ一つ探っていくと、結局はどれだけエンジンに余裕を持たせているか?に行き着いてしまう。この基本設計の違いくらいしか明確な理由が見当たらないのだ。
(注:ドイツ車が必ず電装系が弱いという意味ではありません。悪しからず。)

 ↓さらにエンジンが小さめになって1.2Lが主流になりつつある新型ゴルフは日本の夏に耐えられるのか? 


  
  
posted by のっち at 05:15| Comment(0) | スバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月20日

インプレッサWRXは日本車の「異端児」として新しい時代を切り開けるか? 4気筒ターボ・・・

  本来は日本の「お家芸」と言うべきダウンサイジング・ターボがいつからか欧州車の「代名詞」になってしまった。自動車用のターボ技術を世界に発信してきたのは、紛れも無く日本の重機・造船メーカーの「三菱重工」と「IHI」だ。やや極論だがドイツの部品メーカーの製品で優れているものなんて、「バネ」くらいのものだ・・・。日本人がドイツ製と信じて乗っているクルマは「ステアリング」も「エアバッグ」も「AT」もほとんどが日本メーカーのものを使用しているし、組み立てもタイや南アフリカで行われている(ドイツの要素なんてほとんどない・・・)。

  そんなことを百も承知の上で、モータージャーナリストはターボの導入に躊躇する日本メーカーの後進性を、「鬼のクビを取った」かのようにしばしば書き立てている。「ダウンサイジングターボ」は絶対的に正しい正義で、ハイブリッドよりも優れた技術だと臆面もなく書くジャーナリストは腐るほどいる。そのほとんどがトヨタやレクサスのクルマ(たまにホンダも)を集中的に攻撃する。しかしそれらのモータージャーナリスト達が崇める、本場の欧州のメディアは早くもダウンサイジングターボに対して懐疑的な論調が多い。「後進的」なのはトヨタではなく、そんな事情もよくわからないまま、バカの一つ覚えのように「ダウンサイジングターボ」とほざくジャーナリスト達の方ではないか?

  日本で販売されるドイツ車には確かにターボ車が多いが、これにはメーカーとインポーターによる独自の事情があるようだ。欧州ではガソリンターボではなくディーゼルが販売の中心になっているのだが、日本の排出基準を満たすディーゼルエンジンがないVWなどは、仕方なしにガソリンターボを販売している。欧州のメディアやユーザーの間ではそんなことはもはや常識で、欧州でも「ディーゼル」「HV」「ガソリンターボ」のいずれの方式に未来があるかはとっくに判断が終わっている。答えはトヨタと同じで「ディーゼル」と「HV」だ(トヨタはBMWからディーゼルを調達した)。トヨタが日産ノートに対抗したダウンサイジングスパチャーを開発中という話もあるが、もし本気なら傘下のスバルや友好関係にあるBMWからとっくに供給を受けているだろう。

  冒頭にも述べたが、ターボ技術においては日本の部品メーカーが世界を支えているといえる。しかしその日本発祥のターボ技術は、そもそも現在の欧州行われている「使用法」を想定したものではなかった。欧州での使用法とは、本来使っていたエンジンの気筒数を減らしてコストダウンを図り、それに伴うパワー不足(トルク不足)を補うためにターボを使っている。これは日本のメーカーからしてみたら、「本末転倒」な使い方でしかない。それは軽自動車のパワー不足をターボで補っているのと同じだ。いやそれよりもっと現実は酷い。欧州車はその車重ゆえに仮にターボチャージャーが故障したら、その段階で十分な走行性能が得られなくなってしまうのだ。

  それに対して日本メーカーの普通車における歴代のターボ車はその「リスク」にしっかりと向き合ったものだ。いずれもターボチャージャーなしでも十分な動力性能が得られるだけの、適正なサイズのエンジンを配置することからスタートしている。よって1400kg程度までのクルマなら4気筒、それ以上の重さのクルマには6気筒を配する。その上で主にスポーツモデルなどで、加速を向上させることで商品価値が飛躍的に高まるクルマにだけターボチャージャーを積むのだ。渋滞やストップ&ゴーからなかなか逃れられない日本車にとって、全速度域でターボなしには十分な動力性能が保障できないドイツ車のようなスペックは到底受け入れられるものではない。

  どんなに組み立て精度の高い日本製ガソリンエンジンでも10万キロも走ればその性能は確実に低下する。しかも気筒数が少なければ少ないほど劣化は早まる。同様にターボチャージャーもその性能が走行距離に応じて低下する。エンジンもターボも10万キロで7割に性能が低下すると仮定するならば、欧州のダウンサイジングターボは、10万キロ走行で0.7×0.7=0.49となり、単純な計算上では5割以下にその性能が落ちてしまう。スポーツカーのような趣味性の高いクルマであるならば、タービンをDIYで比較的容易に取り替えられるのでリペアが利くが、メンテナンスに制約がある一般の乗用車となるとそうは行かない。そもそもこんなリスキーな「ターボエンジン」をありがたがるのは、高性能が価値に直結するスポーツカーくらいなものだ。

  かつてはアリストやグロリアといったセダンにターボを使った時代もあったが、それらもあくまで「究極のスポーツセダン」を意図した趣味性の高いクルマだった。日本メーカーやアメリカメーカーが一般の乗用車に安易にターボを搭載しないのは自動車会社としての「プライド」と「良心」だと私は思う。日産もトヨタも今後の新興国市場でVW車と対峙するために小型車向けの過給器を導入するようだが、日本市場やアメリカ市場のような成熟したユーザーが多い市場にターボの乗用車なんて根本的にナンセンスなのだ。4気筒ターボの欧州車なんて「おバカさん専用車」でしかなく、良識のある日本人やアメリカ人なら絶対に乗らないクルマだ。

  同じ4気筒ターボでもスバルや三菱のクルマは、欧州車とは意味合いが違う・・・。続きは次回に

  
posted by のっち at 05:27| Comment(0) | スバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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