CR-Zはやっぱり地味だもんな〜。コスト高なハイブリッドシステムを積むより、軽エンジンで済むスポーツカーの方が同じ価格帯で売れる!という決定的な状況を考えると諦めざるを得ないのかな・・・。残念ながら余命数ヶ月のCR-Zが備えていた大きな特徴として「HVにMTを組み合わせる」という例を見ない奇抜な設計がありますが、こういったタイプのモデルは今後再びどこかで現れるのでしょうか?
CR-Zにとって不幸だったのは「発売するのが早過ぎた」という、ホンダに有りがちなタイミングの問題がありました(だからホンダが好きだー!)。発売された2010年はまだまだ「HV」が異端視されていた時分でした。ホンダの狙ったコンセプトとしては、HVなのに驚きの軽さを実現!!だったはずですけども、車重1100kg台に抑えておきながら15km/L前後の実燃費(モード燃費は19.4km/L~)では、やや本末転倒だったかもしれません。これくらいの軽量モデルだったらガソリンターボでも余裕で達成できます。これでは「HV乗りたいミーハー向けスポーツカー」との批判も仕方ないかも・・・。
軽量コンパクトなクルマをHV化する意義は・・・やはりトヨタに正義があったようで、アクアやプリウスで果敢に攻めた「30km/L」以外に求められる明快なブレークスルーなど無さそうです。軽自動車を圧倒する燃費を誇ることで、日本市場になんとか普通車の需要を生み出している・・・。この塗炭の苦しみを知ってか知らずか、「燃費だけのクルマなんて間違ってるよ!」とか能天気な批判を繰り広げた馬鹿野郎は、センスないですからさっさと評論家を辞めるべきだと思いますね・・・。
アクアを見て実際にかなりの人がときめいたと思います。私も今の家に住んで10年経ちますが、自動車の広告がポスティングされたのは、後にも先にもアクア発売時のトヨタの販売店が行ったときだけです。マンションのポストからスルリと出て来た奇妙な広告をしばらく見続けましたね・・・。え?HVなのに100万円台!?しかもなかなかスタイリッシュじゃないですか〜!!うえ〜これは売れるよ!たぶん!(それにしてもポスティングまで駆使するトヨタの執念に脱帽)
その「アクア・ショック」よりも一世代前に出てしまったCR−Zには、正直言って世の中を変える力は無かった・・・。もしかしたら?いやおそらくですが、アクアの販売に関してトヨタはCR-Zの顛末を検討はしていたはずですから、そういう意味では「世の中」を変えるきっかけにはなったかもしれません。ただし販売は伸びなかった・・・これはホンダがスポーツカーの魅力を見誤った部分もあったかもしれません。スポーツカーって想像以上に笑えないクルマです・・・。「退廃的な生活」を営む人々のクルマというイメージも根強いですし、どこか社会とのつながりを遮断するような「後ろ向き」な存在であるのも確かです。
スポーツカーに限らず2ドア車全般に言えるのが、日本的な価値感からみるとやや「滑稽」さがつきまとうのです。日本で2ドア車が売れない理由は、ドアがデカすぎて日本の狭い駐車場では乗り降りがしにくいという合理的な説明がしばしばされますけども、2ドア車を駆る人々の表情がどこかもの悲しげに見えるという負のイメージもあると思います。ちょっとは検討しますけど、やっぱり「ないわー」ってなりますね(オマエが2ドア嫌いなだけだろ)。客観的なデータで見ても、日本で2ドア車をコンスタントに月1000台売るのは「ほぼ」不可能です。「ほぼ」としたのは、トヨタとスバルが組んで未曾有のPRが行われる!くらいの恵まれた条件ならば達成していたので・・・。
CR-Zが消えるのは悲しいですけども、ホンダはせっかくのHV&MTを、フィットやグレイスに移管して「異彩」を放つコンパクトカー作りは決して止めないでほしいですね。ただし「そんな余裕があったらタイプRをカタログモデルにするよ!」なのかな・・・。
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