2013年12月02日

日産4WDの名車 14B型サニー

  日産はかつては日本のユーザーが涙を流して喜ぶようなクルマをたくさんつくっていました。その多くはデザイン面でのわずかな欠点、あるいはトヨタやホンダによる低価格攻勢の前に丸裸にされるなどの理由で販売が低迷したものも少なくありませんでした。

  年配のクルマ好きの方と話す機会があると、「今までで一番良かったクルマは何ですか?」と必ず訊いていますが、そこでかなりの割合で登場するのが「B14型サニー」です。日産の歴史あるモデル「サニー」の8代目で、1990年代後半に製造されていて、ライバルのカローラも非常にハイクオリティーな時代だったので、当然ながらサニーの歴代最高傑作でもあります。

  この時代の日産はトヨタ・ホンダの革新的なクルマ作りに押されて、赤字が膨らみもはや自力での立て直しが不可能とされ、フランスからあの人物がやってくるわけですが、日産のクルマ作り自体が相当にメチャクチャだったと言われています。車種ごとに開発チームが完全に分かれていて、それぞれが勝手に開発を進め、とりあえず世界一になっておかないと社内では評価されないので、コスト管理なんて二の次で各セクションが突っ走っていたのだとか・・・。

  おかげで出来たクルマが・・・完全に「自称」世界一で、フルタイム4WDのSUVのプレゼンでは、「このクルマの性能はどこで発揮できるの?」「クルマで浅瀬に入ってもらえばわかります!」みたいなトンデモな技術のオンパレードという始末。改革・再生のためにやってきた新しい経営者の仕事は、極めて明確でそういった数々の愚行を諭して止めさせることと、有効な技術を組み合わせて水準以上のクルマを作ることだけだったそうですね・・・。

  改革後の日産もGT-Rを作るなど見所もあるのですが、単純にハイスペックなクルマとなると改革前の方が断然に多いのです。このB14サニーもFF・AWD問わずユーザーには強烈なインパクトを残したようで、大抵は興奮気味に「サニーの4WDは良かったよ!どんな凍結路面でもつるりともしない。三菱・日産のAWDに多数乗ってきたけど、サニーが一番良かった!」といった調子です。

  レース仕様のベースマシンとしても使われるほど、トータルバランスに優れた理想的なサイズとスタイルのボディに日産自慢のフルタイム4WDを組み合わせれば、1輪のみのグリップだけで十分走行可能という驚異的なレベルにまで達していました。アメリカの某テスト機関による4WDの性能チェックで現行モデルで世界の名だたるSUVがその走破性を完全分析されていましたが、現行エクストレイルは比較的に高評価でしたが、もはや1輪グリップのみでの前進は不可と判定されていました(クリアしたのはスバルフォレスターのみ!)。

  それくらいに優秀なクルマを日産は20年前にわずか130万円で売っています。売れればよかったのでしょうが、グレードがあり過ぎでエンジンも1.5、1.6、2.0と3タイプもあり、FF車はマルチリンクで4WD車は4輪ストラット(スポーツカーか?)と使い分けています。さらにガソリンAWDはフルタイム4WDで、ディーゼルにはスカイラインGT-Rでおなじみのアテーサシステムを組み合わせるなんて・・・。今じゃ考えられないほどの「枝分かれ」っぷりです。これじゃあ、たとえカローラを完全に打ち負かしてもたいして利益でないですよね・・・。


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2013年09月22日

インフィニティは日本車か?

  日本車のスカイラインは、アメリカでは「インフィニティG」という名で発売されていました。スカイライン(V36)のFMCに伴い、いよいよ「G」の名称も2013年モデルを最後に消滅するようで、北米日産ではすでに「インフィニティQ50」と名乗る2014年モデルが登場しました。クーペに関しては現行のVC36スカイラインクーペが「Gクーペ」から「Q60」に名称が変わり来年まで販売されるようです。

  シャシーやエンジンなどの基本設計は先代のものをそのまま引き継ぎ、今のところは新たにHVが設定されたくらいの変更に留まっています。ライバル車のレクサスISがいち早くFMCしたのに対し、日産幹部は「とくに気にしていない」とコメントしていますが、北米で大きな拡大を見せるハイブリッド市場の動向は無視できないようで、とりいそぎHVを追加して開発の終了を待たずに見切り発車した感があります。

  今やアメリカ市場でハイブリッドはトヨタの専売特許ではなく、IS300hの登場は完全に後手に回っている状況です。アメリカのDセグは都市部で好まれることもあり、トヨタに対抗できる燃費のクルマとしてフォード・フュージョンとシボレー・マリブがフル=ハイブリッドを相次いで設定して、カムリHVやアコードHVを追い上げる展開になっています。取り残された日産はEセグの「M」(フーガ)にはすでに設定されていたハイブリッドを載せたインフィニティQ50を慌てて送り出し、アルティマ(ティアナ)もFMCはまもなくと言われますが、遅ればせながらHVを軸とした販売を目指すようです。

  どうやら最近の日本のハイブリッドセダン・ブームは、北米市場でのDセグセダンで起きた「地殻変動」が原動力になっているようです。海外では高級車を中心にハイブリッドが活用されていましたが、北米のいわゆる「2万ドルセダン」(DEセグの通常ブランドセダン)で最近になって急激に普及が進み、もはやこのクラスはHVがスタンダードになったようです。日本ではカムリ&マークXの販売数とレクサスのセダンの販売数はほぼ同数ですが、アメリカではカムリ1車種で3万台が毎月売れていて、レクサス全体で2万台です(しかもカムリベースのESが最多)。Dセグセダンの最後の楽園であるアメリカでのトレンドは今後も世界のDセグを大きく揺さぶっていくようです。

  そこで、北米しか見ていないセダンと日本では売らない大型SUVしか作らない「インフィニティ」は日本車として分類して良いのか?という疑問が生じます。日本車であると主張できる根拠は、日本生産であることと、スカイラインとフーガが日本で設計されたことです。ここからが重要なのですが、「V36スカイラインは北米で見事にドイツ勢に勝利」しました。しかもVC-36スカイラインクーペは日本車にとっては鬼門であるクーペ部門において、性能とデザインの両面で3シリーズクーペに完勝し、とうとう3シリーズクーペを廃版に追い込みました。

  同時期にR35GT-Rを世界に放った日産の「イメージ戦略」勝ちとも言われていますが、質実剛健なアメリカ人の価値判断において日本車がドイツ車の得意なフィールド(FRの高性能車)で勝利したことは日本のクルマ史に残る偉業と言えます。CG編集部などの「反日組織」がいくら「プロパガンダ」を流して3シリーズやCクラスを持ち上げても、この事実は覆い隠せないです (ヤレない「味長持ち」のドイツ車に絶対的な基準を置くCGのスタンスもわからなくもないですが・・・)。

  日本車ファンにとって近年稀に見る日本車の実力を示した「カタルシス」なクルマであったV36スカイラインへの畏敬の念が醒めやらぬ中、発表された次期スカイラインのスタイルにはどうしても違和感を感じてしまいました。先代(V36)までは誰の目にも「日本車」だったはずのスカイラインが、とうとうアメリカ車になってしまったという印象を受けたのは自分だけではないと思います。もちろんV36の頃から3.7Lエンジンを標準で装備する設計はアメリカを向いているなによりの証拠ではあったのですが、日本の峠を駆け抜けるためのボディサイズと日産のコピーにあったはずの車幅が、きっちり北米サイズに拡大されてしまい、「日本のクルマ」と強調するべきポイントがほとんど無くなってしまいました。

  以前から日産はメルセデスとの提携を発表しており、このインフィニティQ50の後期からメルセデスのエンジンを使うことが内定しているという噂もあります。せっかくドイツを叩きのめしたのに、直後にドイツメーカーに懐柔されてしまうのは悔しい限りです。V35やGT-Rの開発者として知られる水野和敏氏が突如として日産を退社した理由もその辺にあるのではないかと勘ぐってしまいます。このインフィニティQ50も先代とシャシーは同じなももの、将来的にCクラス・Eクラスと共通のエンジンを積むための準備として車幅を拡大したようです (Cクラスも新型で拡大する模様です)。

  業界の「ハゲタカ」?というべきメルセデスとの提携にはもう少し慎重になった方が良いのではという気がします。すでにメルセデスは三菱を骨の髄までしゃぶり尽くし、かつてドイツでも絶賛されていた三菱のAWDとFFの基本設計とターボ技術を獲得しています。メルセデスの新型Aクラスを三菱を懐かしがって買おうとも、日本人のプライドとして不買運動を起こそうとも思いませんが、どこか複雑な思いで見つめてしまいます。どうせAクラスに300万円出すなら、私ならギャランF・ラリーアートを迷わず買いますが・・・。

  日産を勧誘したメルセデスの真意は明らかで、結局のところCクラスとEクラスに使われているプラットフォームの開発がままならないので、その部分に日産をそのまま移管しようということだと思います。パワーステアリング導入以降、まるでグニャグニャになり味が無くなったEクラスのハンドリングはもはやメルセデス独力ではどうにも出来ない段階なのでしょう。次のモデルではEクラスCクラスともに、フロントサスが3リンクからDWBに変わっているような気がします。そもそも直進安定性に一日の長がある3リンクサスにパワステを組み合わせる意図にまったく哲学を感じません。日本の山岳道路に入ったらろくに曲がれもしない3リンクを、日本でわざわざ選んで乗るユーザーの真意もわかりませんが・・・。

  メルセデスのラインナップは今後A・Bクラスが旧三菱、C・E(CLS)クラスが旧日産、そしてS・CLクラスがメルセデスAMGの受け持ちになるのでしょう。VWグループと全く同じ戦略です。C=スカイラインでE(CLS)=フーガで日本にもそのまま日産と三菱にOEMされそうです。そして生産国はおそらく中国になるのではないでしょうか。アメリカですでに販売が始まったインフィニティQ50は、もちろん今でも栃木工場で作られて全量が輸出されているようですが、海外(中国)に移管されるのも時間の問題かもしれません。まあ先のことを考えるとなかなか単純には喜べないインフィニティQ50(スカイライン)の「現在地点」ではあります。

  
↓蓄積された「情熱」を外資にあっさり売り払う日産の冷徹な「ビジネス」がいずれ災いを呼ぶ気が・・・

posted by のっち at 19:50| Comment(2) | 日産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月19日

スカイラインとフーガの未来

  もはや日産がスカイラインとフーガの2台をどのように今後は処遇していくかは決まっているようです。2000年代初頭に高級車ブランドを結集して話題を振りまいた「フォード・グループ」が破綻すると、高級車作りの中心はいつの間にか「VWグループ」へと移ってしまいました。

  ポルシェとアウディの「二枚看板」は見違えるようなバイタリティで絶えず新しいコンセプトモデルを世界中のメディアに「リフトオフ」しています。世界の「GM」「トヨタ」が待たせに待たせて、期待はずれの「難解」なコンセプトを制作する期間で、アウディ・ポルシェから魅力的なコンセプトが何台登場したことでしょうか。多作なことが必ずしも良いとは限りませんが、完全に高級車のイメージ戦略においてはVWグループが先頭に立っており、GM・トヨタ両陣営の動きは鈍いです。もちろんGM・トヨタは高級車よりも次世代動力源の開発に力を入れているわけですが・・・。

  「3強」の中でVWグループによる高級車偏重の動きは、業界の力関係にも大きな影響を与えているようです。VWが欧州での高級車シェアを拡大する中で、高級車の代名詞と言えるメルセデスやBMWも本拠地ドイツでの不振(顧客離れ)が目立ってきています。どちらもVWに習った新体制作りに躍起になっている真っ最中のようです。

  完全に過去の遺物になっていたマイバッハブランドを解体し、メルセデス本体に超高級車の開発を吸収し、アウディ・ポルシェを超越したスーパーブランドへと生まれ変わろうとしています。新型モデル開発のサイクルが非常に短くなり、当然ながらエンジンやシャシーの車種間共通化も進んでいます。従来の3リンクや4リンクの土台から脱却しないままにパワステへ移行するなど、高級車とは思えないほどの目を覆うばかりのハンドリングに批判が集まるなど、その開発体力の限界をすでに超えてしまっているようです。

  かつてメルセデスはクライスラーとの合併で、開発と生産の増強を図ろうとしましたが、クルマ文化の違いが大きかったようでクライスラー車のメルセデス化が進みましたが、メルセデスにとって好ましいシナジー効果は得られなかったようです。そこで新しい北米パートナーとして「日産」を指名しました。前置きが長くなりましたが、このパートナーシップ締結によりスカイラインとフーガの後継モデルは日産・メルセデスの共同開発のプラットホームに移行すると言われています。

  日産は北米でインフィニティを展開しています。このブランドはライバルのレクサスやアキュラとは違ったコンセプトが貫かれています。レクサスやアキュラは、北米で大々的に展開されているトヨタやホンダの中型・大型車の人気モデルの内装を高級なものに替えて販売しているケースが多いです。北米での販売を牽引しているレクサスESのベースはカムリであり、レクサスCTのベースはプリウスです。アキュラもアコードやシビックをベースにしたモデルが主流です。それに対しインフィニティは同一市場で日産ブランドから発売しているクルマは一切ラインナップしていません。北米ではスカイライン・フーガはインフィニティから、ティアナ・シルフィは日産から発売されていて、共通設計のものはありません。

  そういったこだわりの性かどうかは定かではありませんが、インフィニティは同クラスの他のプレミアムブランドに比べて、高性能で高価格な仕様になっていることが多いです。3.7LのV6搭載なので当然ではあるが、スカイライン(インフィニティG)はDセグでは北米で一番高価な設定になっています。日本ではCクラスや3シリーズよりも安く買えるにも関わらず、北米では完全に価格が逆転しています。ちなみにアメリカではすでにFMCが行われていてQ50が価格はそのままの約$37000で発売されていて、先代モデルとなるG(V36スカイライン)は一気に$5000の値下げ(50万円!)が行われて在庫処分されています。

  アメリカでの価格が日本市場より「正確に」モノの価値を示していると主張するつもりはありませんが、Cクラス($36000)や3シリーズ($32500)とスカイラインを比較すると、もはや別の次元のクルマと言えるほどにレベルが違うメカニズムがスカイラインには盛り込まれています。メルセデスとBMWが絶対的な自信を持っていた車体剛性において、絶対的な数値において優位に立った(立ってしまった)V36スカイラインは、高級車として歩むしかない宿命にあります。

  車体剛性を獲得するために車重もクラストップであり、その重いボディを動かすためには大排気量のV6以上のエンジンが必須です。このような古典的な価値観の高級車が今後世界でどのように受け入れられていくかは不透明な部分もあります。北米ではまだまだトレンドとして市場は十分にありますし、中国やロシアでも今後、伸びるという見方もあります。ただ欧州と日本においては一部のマニア向けの限定された市場になりつつあります。

  日産としてはスカイライン・フーガに活路を見出すならば、スペシャルセダンとして、時代に逆行したV8エンジンを再開発してラインナップを拡充する必要がありますが、EV開発などで手一杯でありそんな余力はありません。よってメルセデスの提案に「渡りに船」で選択の余地がなかったことも十分に想像できます。メルセデスの持つV8やV12が日産のクルマに乗るかどうかは分かりません。スカイライン63・AMGというコラボを見てみたい気もしますが・・・。

  
インフィニティQ50試乗動画(英語版)
posted by のっち at 10:58| Comment(0) | 日産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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